僕の弟は、実家の福島県郡山市で「法律(弁護士)事務所」を開業している。
「弁護士」というと、高給取りのようなイメージがあると思うが、一部の「渉外弁護士(企業の交渉事をまとめる弁護士)」を除けば、それほど割の良い仕事ではない。特に、弟のように地方都市で弁護士事務所を開業している場合は、尚更である。
いつだったか、ある事件について弟と話しをしていた時、彼が言ったことが印象に残っている。
それは、どこからどう見ても「凶悪犯」としか思えない容疑者の弁護を引き受ける時というのは、いったい、どういう心境で引き受けるのか?また、何故、引き受けるのか?という質問に対する、弟の回答だった。
「一人の冤罪(えんざい)を救うためには、多数の凶悪犯の弁護を引き受ける必要がある」。
一言一句は別として、弟は、僕にそう答えた。僕は、なるほどなあ・・・と思った。
僕は、堀江さんを擁護するつもりはないが、今回のライブドア事件に関するマスコミの報道を見ていて、ふっと、そんなことを思い出した。
弟の話しは、僕らの仕事にも通じることがあるような気がする。