第06回 保坂 高広氏 vol.2 (1)
2016-05-14MBAとの出会い。
さて、話は前後するが、彼は大学生の頃から「MBA」に興味を持っていた。「家業」を継ぐ必要があり、本人もそのつもりでいたので、早くから「経営」というものに興味を持っていたのだろう。会社の先輩のひとりにアメリカでMBAを取った人がいて、その方の話を聞く度に、彼はますますMBAに興味を持つようになる。
2003年4月に就職し、その年の11月にプロテストに合格。そして、2005年3月に退職し、早稲田のMBAを受験。見事に合格し、2006年4月から2008年3月まで、MBAに通う。
スイスでの高校生活、2度目の留学とボクシングジム通いの大学時代、そして、上司がトイレに行った隙に会社を脱出し、ジム通い。プロテストに合格したと思ったら、今度はMBA。そして1社を起業、2社の代表取締役へ就任。彼の人生は、転がる石のように苔(こけ)が生えることはなさそうだ。
「家業を継ぐことを意識していたので、MBAにも自然と興味を持つようになりました」。
さて、MBAの合格通知を手にした彼は、今度は「New York」へ渡る。お姉さんが住んでいたそうだ。
そこで、滞在費を稼ぐために、日本人が経営する居酒屋でバイトをする。
「庄屋みたいなところでした。うるさいし、料理はまずいし、それでも流行っていた。お客さんはすべて現地の人(アメリカ人)でした。そして、社長がすごく若かった。耳に大きな穴を開けてピアスして・・・。彼は大学も出ていなかったので、『世の中は、頭(勉強)じゃねえな』と思いました。そこでの経験も起業に繋がってきているように思います」。
世の中は「頭(勉強)じゃねえな」と思いつつ、彼は、MBAへの興味を持ち続け、入学し修了する。