第03回 本間毅氏 vol.2 (4)

第03回 本間毅氏 vol.2 (4)

「経営責任」の取り方。

ところで、イエルネットを「解散」するにあたり、本間さんは、ある決断をした。

本間さんは、イエルネットの株式の「50.2%」を保有しており、法的には、解散価値での現金の「50.2%」を受け取る権利を持っていた。それを「放棄」したのである。彼なりの「経営責任」の取り方だった。

潔いと言えば簡単だが、会社を清算し、ただでさえ、精神的に疲弊しきっているなかで、経済的にも丸裸になる選択をすることは、言葉にするほど簡単ではない。

アメリカに住んでいる今、その話をすると、「お前、バカじゃないの?」と言われるそうだ。

上場を途中で取り止めたのも、堀江さんからの買収オファーを断ったのも、解散価値(現金)の50.2%を放棄したのも、そのすべては、本間さんにとって「自分の軸を持つ」ということだったのだろう。

次回に続く。

文章・写真: 株式会社ドリームビジョン 平石郁生