第03回 本間毅氏 vol.1 (2)

第03回 本間毅氏 vol.1 (2)

起業にはリスクは付き物。

今回の本間さんへのインタビューを通じて伝わってきたことは、次の3つ。

自分の軸を持つ。
過去を引きずらない。
リスクテイカー(挑戦者)でありたい。

まず、最初の「自分の軸を持つ」ということから話を始めよう。

僕が本間さんと初めて会ったのは、2000年だったと思う。ETICというNPOが主催するインターンシップに関するシンポジウムがあり、そのパネラーとして同じ席に座ったのが最初だった。その時の本間さんは、言葉には表せないエネルギーを発しており、「いったい、こいつは何者なんだ?」と思ったことを鮮明に憶えている。

これは今回のインタビューで知ったことだが、彼には「起業家」である「ふたりの祖父」が存在する。正確に書くと、おひとりはご健在で、おひとりは既に他界されている。本間さんは、その「ふたりの祖父」から大きな影響を受けて育ったのだろう。

写真:本間毅 氏

祖父のようになりたいと思ったのがきっかけです。

鳥取県で生まれ育った本間さんは、中学の頃から「起業」を意識し始めた。

サラリーマンだった父親と起業家だった「ふたりの祖父」をみて、「ああいうふうになりたい」と思ったのが、彼が起業を志した原点だった。

特に、母方の祖父はかなり羽振りが良かったそうだが、途中で一度、「倒産」してしまう。いわゆる、連鎖倒産である。そんな最中、家にあったものが差し押さえられて運び出される風景を見たり、お祖父さんが銀行の対応を批判しているのを聞いたりしながら、「どうなっちゃうんだろう、お祖父ちゃんは・・・」と、子供ながらに心配したという。

しかし、家族の心配を他所に、そのお祖父ちゃんは「じゃあ、次の商売、何しようか?」と考えていて、「ええっ!」という感じだったそうだ。

そんなお祖父ちゃんだったそうだが、本間さんが起業すると言った時に、いちばん反対したのもお祖父ちゃんだったらしい。そして、本間さんが今、アメリカで仕事をしていることを最も喜んでくれているのも、やはり、お祖父ちゃんだという。

さて、そのようなことで、「ふたりの祖父」からの影響を強く受けて育った本間さんは、どのようにして「学生起業家」となっていったのだろうか?