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【全4回連載】ホットアフリカ。僕が見たアフリカの今 番外編

【番外編】私が愛したケニアの人々とその生活

小栗充博氏
小栗充博
東京大学教養学部在籍
2003年にアフリカに拠点を置くNGO、ADEOにインターンとして参加。以来、日本支部のアデオジャパンのメンバーとして、日本ならびにアフリカ現地にて、『世界エイズデー』を初めとした様々なイベントの企画およびイベントへの参加、さらには、複数のNPO法人と交流を持ちアフリカの地域開発プロジェクトに従事。また、自身の知見や経験に基づき、アフリカの諸問題や国際協力等をテーマとして多くの執筆や講演を手がける。

これまで4回にわたり、アフリカについてその抱えている課題や未来についてこの夏のケニア訪問やこれまでの経験の部分を織り込みながら書いてきた。
テーマ性をもった書き物となると、ついついネガティブな側面をピックアップして書き連ねてしまう。第4回はそんなこれまでの流れとは逆に、私が愛してやまないケニア、そしてアフリカについての明るくて魅力的な部分をお伝えしたいという想いのもと、写真をメインとした内容にさせて頂いた。

今回は番外編として、私がこれまで写真を通じて切り取ってきた人々の生活の一端をコラージュのような形をとりながら紹介していこうと思う。



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【第2回に登場した都市キスム】

東アフリカに大きく広がるビクトリア湖の漁港となっているこの都市では、アフリカ最大の湖で獲れる多くの淡水魚を堪能することができる。市内には公営の魚市場がある。ここでは朝あげられたばかりの魚が売られている。漁港ならではの新鮮で大ぶりな魚が手に入るため、多くの人々が道すがらこの地を訪れて魚を購入していく。





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【淡水魚ティラピア

キスムの魚市場で売られているのは、主にティラピアと呼ばれる淡水魚。
Wikipedia で調べてみたところ、戦後の日本でも食用として養殖されていたというエピソードを見つけた。現代でも、身が鯛に似ていることから、鯛と称されて刺身や寿司 ネタとして食卓にあがっていることもあるらしい。意外とわれわれの生活の近い部分にティラピアはいるようだ。




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【ティアピアの煮込み料理

キスムで食べたティアピアの煮込み。ティラピアはフライにしたものをさらにトマトやタマネギと一緒にぐつぐつ煮込む、という調理法がよくとられ、そのぷりぷりの身は大変美味である。東アフリカの料理は、魚、肉、野菜などほぼすべてにおいて、タマネギとトマトをベースに味付けがなされている。強い日差しの下で育ったためか、ここで採れる野菜はどれも味が濃く、料理にはもってこいだ。





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【お酒のブサ

第3回で登場した西部の農村地域のブシアで伝統的に飲まれているお酒のブサ。
ミレットを発酵させて作られたものを壷に入れて、ムリッジャと呼ばれる木製のストローを使って大勢で飲むのが特徴的。親戚の集いや冠婚葬祭の機会には大抵用意されており、大人たちがストローでチュウチュウ飲んでいる姿をしばしば目撃する。
アルコール度数が5%に満たない弱いお酒で、人々は「アフリカの伝統的なビール」と教えてくれた。お湯を入れて飲むため、若干の暖かさを伴って少し酸味のきいた飲み物がストローを通してやってくる。日曜日の昼下がりなど、輪を作り4時間以上かけてブサを飲む。地域の社交場的な働きを持っているのだろう。





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【アリ:クンベクンベ】

日本でイナゴを食すように、ケニアでもブシアなど一部の地域で羽アリを食べる。
人々が「クンベクンベ」と呼ぶ羽アリは、雨が降った後に地中から一斉に飛び出してくる。タイミングよく仕掛けられたワナに引っかかったアリたちは、生きた まま一袋10円ほどで売られている。地元の友達のフランシスカが、アリの踊り食いを勧めてくれた。酸味を想定していたものの、食べてみるとぷりぷりとした身に若干の塩味。別の友人は、アリを揚げる食べ方が一番好きだと言っていた。




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【ブシアの家】

筆者が5年前ブシアで働いていた時に、住んでいた家を訪れた。
昔と変わることのない建物を感慨深げに眺めていると、新しい住人の子供たちが話かけてきてくれた。以前と変わらずここには多くの子供たちの笑顔と、数匹の 鶏たちと、親子の牛たちがいた。またいつか遠くない将来この地を訪れる時も変わらずにいてくれるだろう、とついつい期待してしまう。




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【炭での料理】

台所で母親の料理を見守る女の子。
農村地域や都市スラムの家庭では、料理に炭を使う。炭火焼というと、贅沢な響きがあるが、実際に使ってみると、火をつけるにも一苦労。
余談ではあるが、近年の人口急増は、木炭を作るためのより多くの薪を必要するようになった。そのためケニア国内各地で、以前は緑が生い茂っていたと言われる山々がハゲ山と化している。気候変動の影響も見過ごすごとができないと専門家たちは指摘しているという。




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【キオスク】

各所で見かける「キオスク」という小さな売店。日本の駅構内で見かけるものと同様の小規模商店となっており、人口密度の低いアフリカの農村地域では大変重 宝する。生活必需品やちょっとした食料品なら大体手に入る。最近では、急速な携帯電話の普及と合わせて、キオスクで携帯用のプリペイドカードが購入できる ようになった。




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【女の子シェリ】

筆者が最初にケニアに滞在したときに近所に住んでいた女の子シェリ。おめかしが好きな、愛らしい女の子。当時は2歳だったシェリに今回の旅行で再会するこ とができた。7歳の立派な女の子になっていたシェリは、小学校の英語の宿題を必死に解いていた。ケニアでは義務教育の小学校は8年生まであり、無料で受け られる。ケニアの今後は、教育を通じた子供たちの健やかな成長にかかっている。




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【見渡す限りの茶畑】

首都ナイロビから西部ブシアへ向かう道中では、見渡す限りの茶畑に出会う。
鮮やかなティーグリーンに目を奪われる。ケニアの中部地域に位置するケリチョーは、赤道直下にも関わらず2000メートルの標高のため、日本の軽井沢のよ うに涼しく 過ごしやすい地域となっている。お茶の生育には絶好な環境なため、以前はイギリス領植民地のプランテーションとして欧米地域に上質な紅茶を供給していた。 現在もコーヒーと並びケニアの豊潤な香りの紅茶を日本でも楽しむことができる。




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【先生を対象としたワークショップ】

包括的なHIV/AIDS対策が進められるブシア地域では、小・中学校の先生を対象としたワークショップも頻繁に行われる。学校内での教育のために、そして教師自身たちのために、地域の看護師の話を熱心に聞く教師たち。この地域の小学校では、AIDSのため体調を崩した教師たちの欠席が、教育カリキュラム の進行に支障をきたすことが多い。HIV/AIDSが、様々な分野に影響を及ぼす「クロスカッティングイシュー」と呼ばれる所以である。




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【伝統的住居】

東アフリカで幅広く目にする伝統的住居。木で葺いた屋根と土の壁でできている。一世帯単位で、台所や寝室など用途別に複数の小屋が円を描くように配置されて全体の家族の住居地域が構成されている。土と藁のためか、日中でもこの中は驚くほどに涼しい。



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【フレッドとレイチェル親子】

隣に住んでいたフレッドとレイチェル親子。当時働いていた砂糖会社の倒産のため、フレッドはすでに別のところに移り住んだと聞いた。毎晩のようにフレッド 家族に夕食に招いてもらっていたあの頃が時々思い出される。わが子のように可愛がっていたレイチェルは今でも元気にしているのだろうか、そんなことを考え ながらまたアフリカの地を訪れようと心に誓う。


日本で暮らしていると、メディアなどを通じて語られるアフリカのイメージの偏りに嫌気がさしてくる。アフリカの地を訪れた人々の中で、そう思う人は少なくないだろう。「日本といえば侍、寿司、芸者」と同様に、「アフリカといえば、動物、部族、貧困」というステレオタイプ。そのような画一的なイメージの歪みを少しでも是正できればと、人に話をするとき私は自分が経験した楽しい出来事をあらん限りに並べるという戦略をよくとる。それが私自身のアフリカに対する思いにバランスをとらせてくれるような気持ちにもなる。時にそれは、中立的な立ち位置を越えて過剰なほどになる誘惑を伴う。「アフリカ好き」という私が、アイデンティティクライシスを起こす瞬間である。

今回このような形で、4度目のケニア訪問にあたりアフリカについて記事執筆をさせて頂く機会を頂き、自身のアフリカに対する視点について考え直すことができたように思う。読者の皆様にも、これまでとは少し違った見方でアフリカについて考える機会をわずかでも作ることができていたら、それを超える喜びはない。

最後に一言、
「アフリカいいとこ、一度はおいで~♪」




用語集/参考情報



小栗充博氏お勧め~アフリカ関連音楽・映画~


【映画】


 【約束の旅路】
 出演:ロシュディ・ゼム, シラク・M.サバハ
 


エチオピアに住むユダヤ教徒のイスラエル移住にまつわる映画。

この移住事業は70年代かに始まり実際に最近まで続けられていた。主人公の葛藤がとてもよく描かれている。



 【ナイロビの蜂】
 監督:フェルナンド・メイレレス
 


絶対おススメの映画。悲しすぎるストーリー展開と非常に美しい映像、そしてアフリカを非常にリアルに描いていると思う。




 【AMANDLA アマンドラ ! 希望の歌 】
 監督:リー・ハーシュ
 


アパルトヘイトの解放運動を支えたのは人々の多くの歌であった、その歌にスポットをあてた映画。多くの人々の歌にはものすごい力を感じる。音楽とは何だろうと改めて考える映画。
※劇中出てくるヒュー・マセケラはアフリカを代表するミュージシャン。





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