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第4回 法政大学MBAとの共同講座 2006/9/25


両親の教育からの教訓

平石: ご両親の教育でなにか印象に残っていることってあるんですか。
鉢嶺:

おふくろですかね。例えばよく、無理はするなとよく言われるんですよ。 無理は続かないから無理はするな、とかですね。急成長するな、と。 急成長したものは必ずすぐ落ちると。 そういうことは何度も何度も口をすっぱくして言われましたね。

平石: 結果的には急成長していますよね。
鉢嶺: ええ、ですからやはり苦労していますね。



売上と利益


平石: 起業した直後はたしか六本木のマンションの一室で、その直後ぐらいに僕と出会ったと思うんですが、一時は売り上げも思うように上がらなくという時期があったと思います。

そうは言ってもいろんなことやっていかないといけないし、お客さん開拓できないから忙しいと。だから終電もなくなって、会社で机の下に頭つっこんで寝てた、という話もあったと伺っています。

今の話は、それを乗り越えて仕事を取れ出した頃の話ですよね。
その前っていうのはどういう心境、精神状況だったんですか。
鉢嶺:

いや、それでも楽しかったですよ。そもそも自分で会社興して、最初からそんなうまくいくなんて最初から思ってなかったんですよ。
そんなにうまくいく訳ないというのが大前提だったので、何の苦にもならなかったんですね。

逆に言うと、それはまあ僕にとってあんま良くなかったかもしれませんけども、自分ひとりが食べていくことはできるという自信があったので、仕事のとり方も 最低限のコストから積み上げた料金設定にしちゃったんですね。これは僕の失敗したことです。
だから、儲からないんですよ。いくらやっても。
儲からないというのは創業当初に原因があったかなと思います。

平石: いつごろからFAXのダイレクトメールは軌道に乗ったんでしょうか?初年度150万とのことでしたけども。
鉢嶺: そうですね、2年目になったときに日経新聞に、FAXダイレクトメールって言うサービスができたんだという記事が出まして。そこから大企業含めまして多くの問い合わせ頂くようになって。

それでまあFAXダイレクトメールといえばこういう会社だねという風に段々なってきまして、2年目からも売上は順調に上がるようになりましたね。
平石: 2年目に日経に記事が出たって言うのは、自分からプレスリリースを送ったりしたんですか?
鉢嶺: そうですね。知人の方でプレスリリースに長けた方がいらっしゃったので、その方から色々聞いてやりました。
平石: じゃあ、そこから事業としてテイクオフしていったわけなんですね。
鉢嶺: 売上自体はテイクオフしたかもしれませんが、利益ベースでは全然出ませんでした。
平石: 値付けが安すぎたということですね。
鉢嶺:

5年間ぐらいはほとんど利益出ないという状態だったので、そういう意味で一番つらかったのは6年目ぐらいで、確かに売上は4億ぐらいになったけども 利益は毎年毎年100万円200万円しかでないという状態でした。それだけ365日24時間考えているじゃないですか。会社のことばかり考えていて土日も 夜中もパッとおきるとアイデアがわいてメモするとか、そういうことの繰り返しでした。

これだけ考えてるのに何でうまくいかないんだろう。
俺ってやっぱ経営者としてふさわしくないんじゃないかなと5年も6年も走り続けると思っちゃうじゃないですか。
そういうところはつらいところではありましたね。



創業メンバーについて


平石: 鉢嶺 登氏質問項目にもありますのでお聞きしますが、創業メンバーの集め方って大事ですよね。学生のときの知り合いとかで、山っ気のあるという条件で頭に浮かんだ奴 という基準で声をかける人を集めたとのことですが、そうはいっても実際にやろうって前にでたのはハチ一人で、ほかの三人の人はちょっと静観してたわけです よね。 でも、その人たちは結局後からやるよといってきたとのことでした。僕もそういう経験があるんですけども、その時って自分がリスク取って荒野に行ってるわけ じゃないです。 そこである程度開墾したところに来てくれるって言うのは嬉しさ反面、 何で最初から来てくれなかったのという思いはなかったんでしょうか。
鉢嶺: それは全然ありませんでした。来てくれたときは売上は上がってきてはいましたけども利益は全然なかったわけですから。
大企業を腹をくくって辞めてきてくれるっていうことに対しては、感謝しかありませんでした。
平石: それでは、最初の質問に戻ります。4名の方はどういう基準で声かけたんでしょうか。
鉢嶺:

大きくは二つあって、一つはそもそも人として信用できるかどうか。これは僕からするととても重要視してることです。採用のときも重要視してますけど も、ずっと付き合っていくかもしれないですし、一緒にビジネスするわけですから、もう、こいつに騙されたらしかたないなというふうに思える奴って言うので しょうか。

そもそも人として間違った道は歩まないだろうなと言えるような人と付き合うっていうのは第一ですね。

もう一つ言うと、山っ気って言っていいのかどうかわかりませんけども、「俺も将来起業してみたいんだ」とか「会社辞めてやるんだ」とかってそもそも言っている人じゃないと盛り上がらないんですよ。
そういう意味で言うと、そういう話をしてる仲間とは「お前もやりたいんだよね、じゃあ将来やろうぜ」というのはずーっと盛り上がってきましたので、ここに 来られている方もそういう意味では起業に興味があるという意味では、こういうところで出会った人ということです。
平石: じゃあハチを入れて4人、他の3人の方って言うのは、別に大学で一緒になったとかそういうわけじゃなくて、なんらかの形で知り合ってたっていうことですか。いろんな場所で。
鉢嶺: そういう意味でいうと、僕はそれぞれ4人は知ってるんですけども、4人同士はそれぞれ知り合いじゃないんですよ。


創業メンバーにも適用される人事ポリシー

平石: じゃあ、結果的には経営に参画されなかった方以外が今のオプトの経営を支えている、すなわち経営陣になっている、という漏れのない創業メンバーの集め方だったわけですよね。
鉢嶺:

はい。むしろ、うちの採用のときのポリシーでもあるんですけども、どんなに大企業で偉い役職についている方でもいきなりパラシュート人事しないっていう方針なんです。

つまり、いきなり役員にポンてついたりしないっていう方針なんですね。
なので、創業のときのメンバーであっても、入ってくるのが4年目ですと社員が10人ぐらいいるわけですが、その社員からすると、創業のときに出資したかど うか知らんけど、いきなり大企業にいるかも知らんけど、いきなり俺らの上司にくるなんて許せないって思うわけですよね。

なので、株主であるということと採用するということはまったく別なので、採用するときには「テレアポからスタートしてね」ということを言って、彼らも納得してきてくれたんですよ。

そういう意味でいうと、そもそも吹けば飛ぶようなベンチャー企業に大企業から辞めてくるっていうこと自体が、すごいリスクですから相当腹をくくってきています。

しかも、もうゼロからテレアポからスタートしてますから、腹の据わり具合がもう全く違うんですよ。結果として単純に転職してきたという人と違って、俺はもうここで失敗したら帰るところないし、絶対オプトを大きくしてやると思って来ているんです。

結果として成果が出て、「みんながあの人が役員なる方がいいんじゃない」って言って役員になった。そういう意味で言うと、周りも認めて本人も実績出してなっていますから、いい形にはなったかなと思いますね。

               

                      

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PROFILE

株式会社オプト
代表取締役CVO
鉢嶺 登 氏


1967年6月生まれ。
千葉県出身。1991年早稲田大学商学部卒。
森ビル株式会社に3年間勤務を経て、1994年、米国で急成長しているダイレクトマーケティング業を日本で展開するため、オプトを創業。
1999年にインターネットマーケティングに特化。
2004年2月にJASDAQ(2389)に株式公開。イーコマースや情報提供サービスにも参入するなど積極展開。 若手起業家の組織YEOジャパンの8代目会長を務めるなど、経済、社会活動にも積極的に関与している。

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