
HOME > 挑戦する生き方 > これまでの取り組み > 第5回 法政大学MBAとの共同講座 2006/10/16
| 平石: |
尊敬する経営者はどなたかいらっしゃいますか。 |
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| 藤田: |
特にいませんね。 やはり影響受けたのは、USENの宇野社長が非常に大きかったと思います。 目の前で社長というのを見ましたし、スタンスもかっこいいなと思います。自然体な社長でした。 就職活動したときに当時有名なベンチャー経営者の方で 「カリスマのかたまり」という感じの社長も見たんです。 でもその人の下で働きたいと思わなかったんですよね。 自分が自由に発想し、能力を発揮できるような気がしなくて。 それよりも社長がみんなでがんばろうよと、お前の能力が必要なんだ、というような、自然体な経営者に優秀な人材が魅力を感じるんじゃないかと。若者ながらに思っていたので、そういうスタイルには結構影響を受けましたね。 |
| 平石: |
わかりました。次の質問は今の話に関連しそうですね。 藤田さんブログを書かれていらっしゃいますよね。 そこで、藤田さんにとってブログは日々、 社員とのコミュニケーションの一つでもあると思うんですが、 ブログを始めて変わったことはどんなことですか。 また、ここまでプライベートなことを綴っている社長は、 なかなかいないと思いますが、 藤田さんの考える社員とのコミュニケーション、 そして代表としてのあるべき姿とはどんなことですか。 こんなような質問があるんですけども、どうですか。 |
|---|---|
| 藤田: | 渋谷ではたらく社長のブログというのを書いていますが、 お読みになったことがある方は・・・。あ、ほとんどですね。 良かった点というのは計り知れないですよ。 特に僕は営業出身なのにあまりしゃべるのが得意じゃないので、 どちらかというと書いて伝えるほうが得意なんですよね。 なので、それをこうやる上でものすごい武器を手にしたというか、 会社始まって1年目からベンチャー企業の日記というのを、 ホームページに書いてたんですが、 そのときから自分が書くほうが得意というか、 みんな社員がみるので、うちの会社こういう考え方なんだ、 ここに向かってるんだ、というように社内の意思統一が出来ます。
また、これから採用したい人に向けて、こういうことを考えていて、 こういう人材が欲しいというようなことも言うことが出来ます。 更に、今もそうですけども、新商品の告知も出来ると。
ただし、これをやっていく上で、 一番なのは視聴率を取ることなんですよ。 要は伝えたいところばかり書いていても人が集まらないので、 目的が社内の意思統一と株主とのIR活動だけじゃなくて、 「我々のブログサービスのPR」 という結構重要な役割を私のブログが担っているので、
不愉快な思いも結構するんです。だから難しいんですよ。本当に。 利害関係者が多い。たくさんの株主、たくさんの社員とお客様、 社会的には色んな意見がある中でおもしろくし続けるというのは、 自分で言うのもなんですけど芸術みたいなものです。
おもしろいし、メリットも大きいんですけども、大変です。 |
| 平石: |
ブログは皆さんやめてしまいますよね。 今の話の中に、ブログで書いてることは採用に関しても、色々な効果があるというお話がありましたけど、 人を採用するときにはどこを見ますか、 それは新卒を採用する場合と中途で採用する場合と、 で違いますか、という質問を頂いたんですけども、 これはいかがですか。 |
|---|---|
| 藤田: |
「買収をほとんどしないで自分で作って伸ばしていく」
ということです。 つまり、中にいる社員がすごく頑張って、 事業を拡大しているんですけど、 その前提があるので、 非常に文化やチーム意識を大事にしています。 そこで、性格を結構重視するというか、 ものすごく優秀で嫌なやつよりも、 そうじゃないけど性格よさそうな人を採用していくと。
しかも、ベクトルが同じようになるように、 ビジョンに共感しているか、 共感できる素養がある人を採用して、同じ目的を向いて、 みんなが納得したほうがいい、と考えています。
雰囲気がすごくいい組織って業績いいですよね。 逆に言うと、雰囲気をすごく良くすることに成功すれば、 業績は良くなるわけです。
ギスギスした雰囲気で優秀な人がそれぞれやっているよりも、 チームとして組織として結果を出してやっているほうが重要だ、 とも考えています。 |
| 平石: |
はい、わかりました。あとはですね、 ちょっと毛色が変わりますけども、
「藤田さんにとっての人生の目標および、 目標を目指すうえでの心の支えは何かを聞きたいです」
という若干抽象的な質問があります。 21世紀を代表する会社を作ると言うのは、 多分藤田さんにとっては公私もなく目標だと思うんですけども、 何かそれに補足や、 それ以外に人生の目標とか目指しているものとかありますか。 |
|---|---|
| 藤田: |
考え直したくないんですよ。その目標の意義とか。 なんでなんだとか。
よく「すごい野心があるんですね」と言われるんですけど、 実はないんですよ。だけども一回決めているので、 集中してそれをやっているというだけです。 |
| 平石: | 藤田さんにとって21世紀を代表する企業に、 何か定義はあるんですか。 |
| 藤田: | 明確な従業員数で何人とか売上何兆円というのもありますが、 例えば私は、ソニーは20世紀を代表する会社と考えています。 20世紀の半ばに生まれて、 あっという間にそういう会社になりました。 我々も規模や社会的な影響力などで、 そういう会社だと言えるようになればと思っています。 |
| 平石: |
はい、わかりました。 今の質問にも通じるところがあると思うんですけども、 「藤田さんの考える10年後の日本企業の姿、 社会とはどのようなものでしょうか」 という質問がありますけども、10年後の日本社会なり、 会社ってどんなふうになっているとお考えでしょうか。 |
|---|---|
| 藤田: | 10年ですか。今の流れとしては、 戦後急速に日本的経営によって伸びてきたのが、 成熟してきて伸びが駄目になってきた、バブルが崩壊して、 実力主義だとか、成果主義だって言われていたのが、 またゆり戻している傾向がありますよね。 しばらくはそういう状況が続くと思ういます。 またこれで経済成長がなければ、 またはまっていくっていう流れになると思うんですけども。 今東証一部企業とか復活していますし、 これからも上がっていくし業績も良くなっていくでしょうけど、いったん生まれ変わらないと難しいんじゃないかな、 と言う気はしますね。 |
| 平石: | じゃあ産業構造がかなりこの10年で変わるだろうという・・・。 |
| 藤田: |
そう意味でもアントレプレナーはもっと出てくると思います。 |
| 平石: |
わかりました、それでは最後にもうひとつだけ伺いたいんですが、 同じ方がいくつか質問されてるんですけど、そのうちの一つで、 「藤田さんが考える、日本で、または世界で、 ビジョナリーカンパニーはありますか」 とのことです。 いかがでしょう。サイバーエージェントですか。 |
|---|---|
| 藤田: |
いえいえ、我々なんか本当にとんでもないですよ。 今は調子悪いですけどソニーとかは、 やはり素晴らしいと思いますから今は状況悪いですけど、 多分復活すると思いますし。そうですね・・・。
ただ、色んな会社を見ていますけど、 それを参考にするべきところはするべきだと思いますね。それでもやはり新しい時代ですし、我々新しい組織、会社なので、 基本的にはやはりサイバーエージェントのオリジナルで 作って行きたいと思っています。 つまり、ビジョナリーカンパニーという本を、 鵜呑みにしているわけではありません。 それでもビジョナリーカンパニーはたまに読み直します。
新たな発見もあるんですけれども、 あくまで影響を受けているという状態です。 そういう会社にしてもその、本にしてもですが。 基本的にはやはり新しい時代にマッチした経営で、 と考えているので。 |
| 平石: | 特にどこかを意識しているというのはない、ということですね。 |
| 藤田: | ありませんね。強いていうならばリクルート、 がやはり影響受けているところは大きいと思います。 意識しているというよりは、 やはり前の会社もその前の会社もリクルート出身で、 かなり真似させてもらったところあるので、影響を受けていますね。 |




株式会社サイバーエージェント
代表取締役社長
藤田 晋 氏
1973年 5月16日 福井県生まれ。
株式会社サイバーエージェントは1998年の設立後、インターネット広告会社として躍進し2000年3月に東京証券取引所新興企業市場マザーズに上場。現在はブログメディア、ECサイトなどのインターネットメディア事業及びインターネット広告代理事業、投資育成事業を軸に事業展開をするインターネット総合サービス企業。「21世紀を代表する会社を創る」を会社のビジョンとして、サイバーエージェントグループCEOとして事業拡大を図る。