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出口治明氏 vol.2

保険会社を絶対に株主に入れない。

さて、話しを元に戻すと、出口さんの三つ目の決断は「保険会社を絶対に株主に入れないこと」だった。

ライフネット生命保険は74年ぶりの独立系の生命保険会社であるが、保険会社が株主に入っていた方が「免許」を取りやすいのは間違いない。でも、それでは「古い自分をすべて捨てる」ことにはならない。そこが、出口さんの拘りだったのだろう。

こんな話をしてくれた。

「僕の友人と昨日話をしていたんですけど、ライフネットのウェブサイトを見て、今までの保険会社とは全く違うと言っていました。昨日話した友達はやはり60歳なんですけど、ライフネットのウェブサイトを見ておもしろいんで、日本生命を見たと。次に第一生命を見たと。全く質が違う、保険会社とは思えないと。すごく嬉しかったですね。僕らは44番目の保険会社ですけど、44番目の保険会社を作りたいんじゃないと。今までの43社と、生意気ですけど、全く違う会社を作りたかったので、ウェブサイトを見た方がそういうふうに言って下さったことがとても嬉しかったですね」。
出口治明氏 <空白> この会社を創るときに、リスクはもう全部とっているんですよ。

世の中はすべて「トレードオフ」。

出口さんが世の中で一番嫌いな考え方は、「長所を伸ばして、短所を矯正する」ということ。小さな円より大きな三角がいいと。いいとこ取りはあり得ないことで、世の中はすべて「トレードオフ」であり、ライフネット生命保険を創業する時に「リスクは全部とっている」と仰っていた。

「谷家さんと話しをした瞬間に、若い人と組むとか、保険会社を入れないとか、あるいは、僕の人脈は使わないでゼロからやるとか、リスクは全部僕が選んで勝手にとってしまっているわけですから。そして、それは絶対的に大きい可能性を持っているわけです。岩瀬君を中心に、若い人で保険業界のことを知らない人が中心になって作ってくれたからこそ、あのウェブサイト(ライフネット生命保険にとっての唯一の「お店」)ができたわけで、もう既に大きいリスクが大きいリターンになって返ってきていると、僕は楽観的に思っています」。

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PROFILE

ライフネット生命保険株式会社
代表取締役社長
出口 治明(でぐち はるあき)

大学を卒業後、日本生命保険相互会社に入社。企画部や財務企画部にて経営企画を担当。生命保険 協会の初代財務企画専門委員長として、金融制度改革・保険業法の改正に東奔西走する。ロンドン現地法人社長、国際業務部長などを経て、同社を退職。 2005年より東京大学総長室アドバイザーを勤め、2006年より現職。

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