***

HOME > 挑戦する生き方 > 2008年11月 > 吉川欣也氏vol.2

吉川欣也氏vol.2

これからの時代のアントレプレナーに必要なこと。

そして、こうも続けていた。

「でも、それを支えるのには、見えていた人達、つまり、大企業で経験した人達が絶対に必要なわけです。僕よりも優秀で、いわゆるハーバードでもスタンフォードでも出て、MBAを取って、グーグルのVPになって、その後でうちに来てくれればいいと僕は言うわけです。You TubeやフェイスブックのVPくらいのポジションに名前がないとダメだと思います。アスキーの西さんやソフトバンクの孫さんはもちろん、メーカーや大手・専門商社の人達はかなりアグレッシブに、そういうところに入り込んでいました。起業するのは僕の仕事ですが、心配なのは、そういう伸びそうなところのエグゼクティブに、僕が知る限り、日本人が全然入り込んでいないことなんです。僕に、30代の入り込みが悪いですね。オポチュニティーがいっぱいあるのに、もったいない。でもそれは、日本のマーケットが縮小して来ているからでもあるんです。中国、インド、ベトナム、ロシアなどは確かに伸びているし、世界の注目度が高いことは否定しませんが、日本のプレゼンスは相当低い。これまた、悲しい限りです。シリコンバレーで注目されているスタートアップベンチャーが日本に行くんだけど、滞在するのは1日、2日。日本食を食べて帰っちゃう、もしくは、中国が台湾にすぐ移動という感じになって来ている。だからそういう意味では、ここに根を張って行かないといけない。今まで僕達の先輩が作ったネットワーク以上のことをやらないと、日本のアテンションは減っているわけです。中国とかインドに行ったほうがいいと、僕も含めてそう思っている。もう日本のマーケットは狙っていなくて、日本に帰るのは、友達の結婚式があるとかで1年に1回ぐらいになっちゃうわけです。仕事で帰ることなんか、なくなっている。『パラダイス鎖国』じゃないけど、本当にそうなっているのに気づいていないことが怖いと思います。日本は、そこそこマーケットがあるように見えるけど、どんどんシュリンクしている。というより、中国とかが大きくなってきているから、もう10%もいかないわけです。iPhoneの売上とか見ると、まだ日本は2位で、次がドイツとかになるんだけど、そういうのは特別で、全体から見るとすごく小さい。日本がイニシアチブを取っていた、椎名さんがIBMジャパンの社長だったり、三井さんがIBM本社の副社長だった時代と今とは違うわけですよね。ヘッドクォーターでボードミーティングの時に『日本、頑張ってね』と。『はい、次の課題に移ろうよ』という感じ。日本人が日本のことでプレゼンテーションをするのに5分もいらないわけです。「ま、だいたいこんな感じだろう。知ってる人間もいるし、それなりに頑張っているし。よろしく」みたいな感じで、チャレンジもないし。そういうことに気づいてないというか、ちゃんと伝えてないし、そのポジションの人達は、自分達もリタイアするわけだし、何も言わないんですよ。そういうような話が結構、ここにいると年々あるわけです。背筋が寒くなるような話のほうが実は多いので、ニコニコしてる場合じゃないという感じですね」。

吉川欣也 氏 <空白> 今までに僕達の先輩が作ったネットワーク以上のことをやらないと・・・。日本のアテンションは減っているわけです。

ところで、この原稿を書いている時に、コンサルティングファーム出身で上場企業の社長を経験された方と食事をご一緒する機会があった。

彼が言ってたことは、次に、ベンチャー企業のムーブメントが来るとしたら、その時は、世界中とは言わないまでも、少なくとも最初からアジア全体を見据えた事業展開をする人たちが増えてきた時ではないか?ということ。

吉川さんに続く人達がたくさん輩出されることを期待したい。

文章・写真: 株式会社ドリームビジョン 平石郁生

※次回予告: 来週は、シリコンバレーの著名ベンチャーキャピタルのパートナーを務める伊佐山さんをご紹介します。

<< 最初へ < 前へ [ 1 ] [ 2 ] 3 次へ > 最後へ >>

Backnumber バックナンバー

挑戦する生き方

江原理恵氏vol.2
江原理恵氏
最初の転機が訪れる。 さて、持ち前の「反骨精神」で数字を上げていた江原さんだったが、証券会社時代に
江原理恵氏vol.1
江原理恵氏
世界的な経済金融危機が続く中、数ヶ月ぶりに日経平均が1万円を超え、少し明るさを取り戻しつつあるか
塚田寛一氏vol.2
塚田寛一 氏
笠原さんとの出会い。 塚田さんにとって、イー・マーキュリー(現ミクシィ)やペイメントワン(現GMO

市場/事業レポート

歯科業界の現状
はいしゃは、歯医者?敗者?そして、、、 はじめに 今回のレポートは、歯科業界で、”ビジネス”とし
注目される牛乳販売店の機能
マーケティング・チャネルとしての牛乳販売店 牛乳宅配店への注目 インターネットを活用した新興流通
【全4回連載】ホットアフリカ。僕が見たアフリカの今 番外編
【番外編】私が愛したケニアの人々とその生活

PROFILE

吉川 欣也(よしかわ よしなり)

愛知県出身。1967年生まれ

法政大学法学部を卒業後、NIF(現大和SMBCキャピタル)に入社。その5ヵ月後に、同社を退職。
その後、独立系シンクタンク「プロトコル」に転職し、当時で言う「ニューメディア」関連のビジネスに関する知見を得る。
プロトコルでの経験を踏まえ1994年、独立。翌1995年に、デジタル・マジック・ラボ(DML)を設立し、代表取締役社長に就任。その後、DMLのCTOだった石黒氏と共にシリコンバレーに渡り、ルーター開発ベンチャーの「ip infusion」を設立。現地のベンチャーキャピタルから約20億円の資金調達に成功。2006年に同社をACCESSに売却(EXIT)する。
現在は、自身にとって「3度目の起業」となる「miselu」を創業。シリコンバレー在住。

これまでの取り組み
アスリブ
ライフネット生命
magis
社長ブログ